講師インタビュー

リチャード・ウォールスタイン

リチャード・ウォールスタイン
2006年5月ドイツにて

リチャード・ウォールスタイン氏は、ヘリンガー・インスティテュート・ジャパンが主催した第2期システミック・コンステレーション・トレーニングで、メインのゲストティーチャーとして3度来日し、指導してくれた、ロンドン在住のアメリカ人セラピストです。
2006年5月にドイツで行われたインターナショナル・インテンシブ・トレーニングでチェトナがリチャードと再会した際にインタビューを行いました。

C: チェトナ・小林
R: リチャード・ウォールスタイン


C: 最初の質問です。
リチャードは2006年の3月のトレーニングのために初めて日本に来てくれましたよね。そのときの印象を聞かせてくれますか。
例えば日本人について、日本の文化についてとか、他の国との比較など。
R:私の印象に残ったのは、トレーニングの場で受講生がみんな心を開いて興味を示してくれたということです。それは素晴らしい感覚でした。西洋人は、それが正確かどうかは別の問題ですが、すぐに何とか殻を破って自分を出そうとするのに比べると、日本人は最初、自分自身の感じていることを信頼し、口を開き始めるまで時間をかけ、そのことについてよく考えているようで、より真実に近いように見えます。
C: 興味深いですね。
初めて日本の文化圏に降り立った最初の日は、どんな印象を持ちましたか。
R: 素晴らしかったです。とても気に入りました。
飛行機を降りて入国審査を通過する時、いくつかの(進行方向を示す)サインを見つける事ができなかったため、私はちょっとの間、日本人の列の中に混ざって立っていました。それから外国人用の別の場所があることに気づいたので、あらためてそちらで入国審査を通過しました。そんな些細なことも全部楽しかったです。
列の並び方からしてイギリスとは異なり、たくさんの違いを吸収することは素晴らしい経験で、とても面白かったです。建築物は見事で、食べ物は素晴らしく、人々のマナーはとても好ましく、とても気に入りました。
C: 2番目の質問です。
リチャードがトレーニングをされる時に、1番伝えたいと思っていることは何ですか?
R: それはとても大きな質問ですね。
最も重要なことは、ワークの中で自分のやり方で感覚のプロセスを学ぶことだと思います。あなたが進むすべてのステップが、あなたにとって意味をなすということです。
もし、そこで意味が理解できないとしても、少なくともそこに存在する「実感」はそれが感情的な理解か、身体的な理解かを知っていますから、それをそのトレーニングの場では問いかけることができます。

その理解の「実感」がわき起こるとき、自分には進んで行く準備ができているときなのか、それとも今いるところにとどまり、自分が知る必要のあるものをそれが何なのかを見つけ出し、より深く理解すべきなのか、見分けることができるのです。
それがおそらく最も重要です。
C: 3番目の質問です。まだファミリー・コンステレーションを知らない人を想定して答えていただきたいのですが、どういう人がどのようなタイミングでファミリー・コンステレーションのワークを受けるのがベストなのでしょうか?
R: ワークについてですか、トレーニングについてですか?
C: トレーニングではなくて、ワークについてです。
R: そうですね、一般的なことを言うなら、誰でもです。
しかし、もしも「セルフ-自分」という感覚が非常にこわれやすい人であれば、話は別です。そのような人たちにとっては、自分自身とつながったままでいたり、落ち着いた状態でいることは難しいからです。
そのような人々にとって、そこでの条件が非常に安全でない限り、その人の精神状態、または精神的な自己イメージの異なる面を表現し始めるのは、あまり良い考えではないでしょう。
もし、その人の自己についての感覚が不安定であるとすると、自分に対するイメージがバラバラになっていくと考え始めるという事が起こり得ます。
ですから、問題に対して働きかけるには、ある程度自分自身について安定している人である必要があります。
しかし、それは特別な場合で、誰もが良い候補者と言えるでしょう。
問題への働きかけを受ける最も良いタイミングは、どのような問題にしろ、その問題が非常に重要であると感じる時です。だから、問題が湧き立っているときが適切でしょう。それが一番良いタイミングです。

最悪のタイミングというと、その人が自分はその問題をよくわかっていると思っている時です。
そして、その間にバリエーションがあります。あなたがその問題により近くなっていて、そして今そこにおり、あなたの中で火にあぶられているかのように問題が熱く湧き上がっている場合。
あなたがそこに近ければ近いほど、ワークを受けるべき時です。

その一方で、またはそれに加えて、ここまでに私が語ったことは、問題を抱えていて、自分のために働きかけを受けたいという人たちについてでしたが、しかし、もしあなたが経験として、代理人という状態、またはただファミリー・コンステレーションがどのようなものかを知りたい場合には、それほど問題が差し迫っていなくてもワークショップに参加すると良いです。
それによって、理解したいと思う事柄がある点についてよりいっそうその人は理解できるようになるでしょう。
そして、ワークショップや個人セッションに行き、経験を積み、コンステレーションのワークショップに参加し続け、代理人になることを経験し、またはただ見ているというだけでも、たいてい自分自身の問題に触れることを助ける効果があります。
それは実際に、あなたの内側で燃え盛り、煮えたぎっているあなた自身の問題に向かう助けとなるのです。
それがこの種のタイプのセラピーの中でも、このワークの素晴らしさとして数えられていることの1つです。

もしあなたが、他のセラピーを受けている最中で、毎回セッションで自分の問題に向き合っている場合、あなたはセラピストのところに行き、セラピストはあなたに「どうなさいましたか」または「あなたは何について対応したいのですか」と尋ねます。そしてあなたは取り組むべき問題を挙げなければなりません。
ファミリー・コンステレーションでは、あなた自身の問題に働きかける必要がなくても、ワークショップに行くことができます。
そこでは、あなたは他の人々の問題での代理人になることができ、もしくはグループのメンバーでいることができ、その中での過程において、通常あなた自身の問題も明らかになっていきます。しかし、あなたは自分に準備ができていないこと、問題が明白になっていないことなどについて少しも恥ずかしいと感じる必要がありません。
なぜなら、そのような他の在り方でワークの中に身を置く方法があるからです。
C: わかりやすい説明です。とても明確になりました。
4番目の質問です。最後に日本の皆さんにメッセージをお願いします。
今すでにコンステレーションに関心を持っているトレーニング経験者や、ワークショップに参加したことのある人たち、また、これから興味を抱くかもしれない人たちに向けて、何か言葉をいただけますか?
R: もしあなたがあなたの人生で繰り返し続けるパターンがあることに気づいて、何がそうさせるかについて興味があるならば、もしあなたがそのような疑問により関心を持つようになり、興味が深まるようならば、そうするとこの特定のワークの仕方、バート・ヘリンガーによって展開されたシステミック・セラピーは、あなた自身を発現し、理解し始める非常に良いきっかけであるかもしれません。ワークショップはあなたがそうすることの助けになるでしょう。
あなたはもしかしたらファシリテーターになりたいと思うかもしれないし、自分を成長させるためや、自分をもっと理解するために、トレーニングを受けたいと思うかもしれなません。
トレーニングは、あなたがワークショップで見て、経験したことについてもう一段階深く、物事の働きがどのようなものであるかを、理解することを助けるためのものです。

トレーニングはまた、あなた自身の問題も他の人々の問題についてもより深く探求する大きな機会を与えてくれます。あなたと一緒にトレーニングを受ける他の人たちの問題は、他者に対する理解を引き起こすだけでなく、他の人たちの経験を使わせてもらうことによって、あなた自身の経験の中にある真実を照らし出し、気づかせてくれる助けをしてくれます。

明らかにトレーニングは、ファシリテーターになることを学びたい人々のためにとても役立ちますが、自分自身の成長にのみ関心があり、この時点で特に他の人のためにファシリテートしたいと望んでいない人にとっては、なぜか幸福だと感じられる状況から自分を遠ざけている、漠然と自分の人生に心底は満足していないというようなときに、その問題の核心をしっかりとつかみ取るために新しい視野を与えてくれるでしょう。それはもしかしたら個人的かも知れませんし、仕事においてかも知れませんが、システミックに物事を理解する方法の基盤を得ることは、全く新しいレンズを通して自分の人生を見ることを可能にします。
それはまるで、度の合わなくなった古い眼鏡をはずして、自分の目に合った、よりはっきりと見えるレンズの入った、違う形の新しい眼鏡にかけかえるようなことです。
C:とてもわかりやすい比喩です。これを読んだ人たちは、どのようなものをイメージしたらいいのか、少しつかんでくれるのではないかと思います。ありがとうございました。次にまた日本でお会いするときを楽しみに待っています。
R:こちらこそありがとう。また日本に行くのを楽しみにしています。
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